劇作家もとい激作家より

拝啓 惰性の日々をお過ごしのみなさんへ

お前が今書いてる芝居には、世界でお前しか言えないことを書いてるか? 先日、知人にこんなことを言われた。そうです。オリジナルってそういうことです。 俺の芝居と言うからには、世界で俺だけしか言えないことが書いてなきゃいけないんです。

で、どうかというと、とりあえず、日本語で書いてるので、 50億人の中の1億人ぐらいしか書けない芝居ではあるね。 駄洒落の数も半端じゃないよ。 ちょっと数えてみたけど、1ページ目に6個駄洒落があった。 1ページは大体1分の計算なので、平均10秒に1個は駄洒落のある芝居ということになっちゃう。 数えてないから正確じゃないけど、それが一時間続くわけだ。 これは、世界初かもしんない。

でね、そんだけ苦労して(鴉姫だけにクロウして)、台詞を考えても、今度、演出の段階になったら、いかに台詞を言わさないかってことになってくるのよ。 脚本とは、どんな言葉を役者に言わせるか、であり、演出とは、どう言葉を役者に言わせないか、であると、最近、俺は悟ったね。

結局、人間は言葉で理解するんだけど、わかっちゃうとつまらない、わからない部分を残しとかなきゃいけない。 言葉を使わない、獣に戻んなきゃいけない。野生に戻んなきゃいけない。これが大変なんです。 だって、最近の若いもんなんて気づけばテレビつけるでしょ。もしくは、深夜のネットサーフィン。惰性が染みついてるんです。まじ、だっせー。

演劇は、野生です。野で生まれたから、芝居って言うんだよ。多分ね、多分。だから、横浜まで野生を取り戻しに来て下さい。 ライオンはいませんが、牙偏に鳥のカラスが待ってます。

鈴木厚人


パンフレット・原稿

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