劇作家もとい激作家より

望遠鏡なんていらない

望遠鏡なんていらない。そう思って生きている。
だって何の役に立つ?
月や星なんて見ても一円の得にもならないじゃん。ちょっと前に、
「見えないものを見ようとして」なんてフレーズの歌があったけど、
いくら望遠鏡を覗き込んでも、見えないものは見えないままだろうと、
あまりに当たり前のツッコミを入れてしまった。
大体、そんなものを見てる時間がどこにあるのか?

月曜残業。火曜も残業。水曜日こそ残業。木曜日なんて残業。
金曜日にいたっては、THE 残業。
土曜に家族サービスして、日曜日は休日出勤。
ワタシの時間はどこにあるのか?

ここに逆説がある。
時間を「無駄」にしていない人間ほど時間がなく、
時間を「無駄」にしている人間ほど時間がある。
なんと、時間とは不平等なのか。

この芝居は、望遠鏡に閉じ込められた時間の話である。
もしくは、遠くを望もうとして、手を伸ばしたが、
決して、遠くにふれることができなかった男の物語である。
望遠鏡なんていらない、そう思って生きているアナタにこそ届けたい、
そんな芝居なのである。


鈴木厚人


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