2016年04月24日
 ■  London日記 5ヶ月と24日目

最高に面白いと感じた作品では無かったが、記録に残しておきたい作品がある。Polka Theatreの”The Box of Photographs”である。この作品は、ストーリーの立ち上げに地域の子どもたちが関わっているのだ。ある写真家の写真群から、子どもたちが嘘っこの物語を作り上げる。全部でおよそ500のエピソードから、劇場、演出家、作家が最終的に、21のエピソードを選び出し、一本の芝居にまとめあげた、という作品だ。

Box-of-photographs-email-im.jpg

各エピソードのファンタジー性は、素晴らしいもので、まさにプロを超える、奇想天外な展開が満載なのだが、最後に一人の作家がまとめあげたとは言え、世界観や主題の統一という面では、もう一つ足りないと言わざるを得ないという感じだった。

前に書いた"We're Stuck!"という作品の演出家が、演出家で、"We're Stuck!"を見に行った時に、偶々隣りに座った僕に、向こうから話しかけてくれて仲良くなったのだが、何度かメールのやりとりをしている間に、稽古見ない?インタビューとかしたい?と言われ、”The Box of Photographs”の作家を紹介され、インタビューすることになった。現地の作り手に創作について、インタビューをしたいという欲望は常々あったのだが、自分の英語力の自信の無さから、後回しにしてしまっていたのだ。しかし、ようやくその機会が訪れた、幸運にも。

彼の言葉で最も印象に残ってるのは、子どもための芝居を書く時に、最も重要なことは何?と聞いた時、彼が、”Engagement”と答えたことだった。Engagement?婚約?観客をengageすること。子どもの観客を引き込むこと?engageという言葉って、いろいろ意味があって、ニュアンスがはっきりわからなかったけど、でも、何かわかった気になったよ。(engageのニュアンスがわかる方は、教えてください。)

一週間後に見に行った本番は、序盤から観客が笑っていて、engageできていたと思う。上記のように不満な点もあったのだが、この企画は何よりマーケティング的に成功していたのではないかと思う。というのは、いつもより非白人の観客がとても多かったのだ。こちらのチケット代は、日本のそれよりも相対的に安いとは言え、観客に、やはりミドルクラス、白人が多くなる(両者は完全なイコールではない)。しかし、この作品は、人種的には本当に均等に混ざった感じで観客が来ていて、エピソードの応募を学校単位で募ったのか、恐らく、普段あまり芝居を見ない層にも、訴求できていたのではないだろうか?

theboxofphotographs.jpg

投稿者 atsuto : 2016年04月24日 01:43

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