2012年01月23日
 ■  読書日記2012年1月 その1

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「卍(まんじ)」
谷崎潤一郎・著
昭和3年から5年に雑誌で発表された作品。
谷崎が、関東大震災を経て、関西に引っ越した後、
関西の女性を関西弁の音の響きを通して描こうとした作品と言われている。
そんなわけで、「のん」=助詞「の」に鼻音がついた言葉の響きとか、
言葉が可愛らしい。

でもね、
美しい女は強く、その強さで崇拝する者を支配する、というSM的要素が、
谷崎の作品の強固な構造だと思うんだが、
「光子」は強さの部分で、完璧でないところがあって、
だから、その美しさの描写にもひび割れがある気がしてしまう。
Mの登場人物、そして読者を支配しきれてない。

足フェチの要素、現実がいつの間にか幻想にすりかわる構造、病気の描写、
などなど、
晩年の傑作の中に、散見する手法がまだ出てきていないのにも注目すべき。
要は大作家でも変わっていくということか。


「少年」
谷崎潤一郎・著
明治44年だから、谷崎が25歳の時に書いた短編。
子供たちのSMがモチーフで、ちょっとグロくて、ついていきにくい。
痛み系のSMより、精神支配系のSMを描く、谷崎の方が好きだ。

投稿者 atsuto : 2012年01月23日 10:36

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