2011年09月25日
 ■  読書日記2011年9月 その1

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「その人を知らず」
三好十郎・著
唐十郎以降の劇作家については、なんとなくイメージを持てるのだが、
それより以前の作家については、全然知らない。
その中で三好十郎は、作品は読んだことがなかったが、
その高名が轟いていた。

この作品は、あるキリスト教の信者がその信仰のため
(汝、殺すなかれの教えを守るため)、
徴兵を拒否するエピソードを中心に、その男の周りの人々の群像劇。
場面転換が多いからか、集中がやや途切れ途切れになる感じがした。

正しいことを、一点の曇りなくやろうとする男のそばにいると、
周りの人間は悉く不幸になる。その様子は滑稽であり、悲しすぎる。
終戦を挟んで普通の日本人がどう普通に変容したかもわかる。
ただ全体的に重すぎ。
重たいのが悪いのではなく、重たい色、一辺倒なので単調なのだ。


「廃墟」
三好十郎・著
「その人を知らず」や「廃墟」の前半を読んだだけだと、
三好十郎というのは、論理的な作家だと勘違いしてしまう。
が、「廃墟」を最後まで読むと、
クライマックスの凄まじい長台詞の応酬・議論のぶつけ合いがあっても、
論理的には全く何も解決しない、なのに爽快な読後感。

長台詞に込められたその熱量は半端じゃない。
つまり全然論理の作家じゃない。
「廃墟」は、ワン・シュチュエーションなのもいい。
場が変わらないから、最後までエネルギーが溜まっていく
ドキドキ感がある。噴火もあるし。
前半では、お光というキャラクターがジャガイモを盗む描写が秀逸。

投稿者 atsuto : 2011年09月25日 22:02

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