2010年03月25日
 ■  俳優たちは人物を見せ、演出は世の中を見せる。

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

3/24にソヌに言われたこと。

演出が新しい刺激を受けるために、
俳優たちの演技を何度も利用してはいけない。
今日の練習で何かが起き、発見をしたならば、
それを明日の練習では俳優の新しい刺激になるように、渡す。
例えば、前日の俳優の即興が取り込まれている台本を渡すとか。
そうすれば、俳優は、即興の演技にも意味を見出すことができる。

そして、俳優たちは人物を見せ、
演出は世の中を見せるものだということを、忘れないで。
俳優は細部を考え、演出は全体を考えるのだ。

2010年03月24日
 ■  見るという動詞、見るという言葉。

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

昨年の4月に世一さんが稽古場に来た時に、
「即興の課題を出す時は、
名詞のキーワードではなく、動詞か形容詞のキーワードを与えたほうがいい」
というアドバイスをもらった。
今思えば、とても大切なことを教えてもらった。僕の金科玉条になった。

特に、演出において、シーンや瞬間の、
動詞を認識することはとても重要な気がする。
役者は、動詞を意識するだけで演技がとってもclearになるし。

「匂衣」の動詞は、「見る」だ。
だから、「見る」ことについて、ひたすら考える。
しかし、日本語の「見る」には、
ただ単に、「見る」=watch,look,seeもあるけど、
「なになにしてみる」という「見る」もある。
この「なになにしてみる」は、英語に訳すとtryなのかな?
とりあえず、tryでいいや。
try~は、日本人にはやってみる、やって+みる、なのだ。
つまり、日本語では、未来へ向かう動作に、見るという言葉がくっつく。
日本語の「見る」という言葉は、いつも未来を見たがっている?

2010年03月22日
 ■  ソヌの身体や表情を見せたい

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

ソヌが、韓国語で喋るシーンをどうするか?
いろいろな方法を模索中。
基本は、日本語で物語は語られていくが、
途中、どうしても、ソヌに韓国語を喋らせたい。
不自由な日本語の表現から開放された、
彼女の身体や表情を見せたいのだ。

大久保の飲食店に、
チラシやポスターを置いてもらい回りする。
ソヌの活躍のおかげでお願いした、
ほとんどのお店で置いてもらえた。

baeksunwoo.jpg
飲食店回って、休憩中のソヌ。

2010年03月20日
 ■  俳優を見るという一点に集中する

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

西宮さんと深夜に舞台美術打ち合わせ。
彼女が持ってきてくれたプランを元に議論。議論。議論。
まだここには書けないことばかり。

なので、稽古のこと。
何の演出のアイディアもなしに稽古に行く。
以前はもうちょっと準備をしていったが、
ある程度、準備をするということを捨てる。
そして、俳優を見る。ただ見る。集中力を持ってただ見る。
準備をしていくとそれをこなそうとして、
俳優をただ見るということが疎かになる。
だから、俳優を見るという一点に集中する。

そこに何かがある。そこにしか何かがない。

すぐには見えてこない。ちょっとだけ待つ。
すると、ちょっとだけ見えてくる。
見えてきたものを、役者に伝えて、
もう一度やってみると、さらにもう少し見える。
その見えてきたものを伝え、、、
繰り返す。

当たり前のことなんだけど、そこにしか演劇はない。

2010年03月17日
 ■  月を見ろ、俺の指先は見るな!

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

公演初日まであと一ヶ月。
ついに、トラブルが発生し出した。
議論が増える。
これまで、わかり合っていたかのように見えて、
実は、細かいところはわかり合っていなかったことが、わかり始める。
でも、
「日本語を100%理解していたとしても、
相手の言ってることが100%理解していることなんてありえない」

だからこそ、
「俺が月を指差したら、月を見ろ、俺の指先は見るな!」
という、セイル兄の言葉を思い出す。

言葉そのものの意味ではなく、
言葉の向こうで、言葉の先で、相手は何を伝えようとしているのか、
それを考えなければ。掴まなければ。

2010年03月16日
 ■  もし目が見えるなら何を見たいですか?

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

本質をつかめてない時は、何をやっても時間だけがかかり、
パフォーマンスのクオリティーも低い。

今回は、
どうしても「家族」がストーリーの中心にならない物語を書いてみたかった。
僕自身があまり人付き合いがうまいほうではない。
社交的な人間ではないし、
常に好奇心をオープンに開いているというタイプではない。
だからこそ、「他者」と「他者」が出会うという物語を書いてみたかった。
それを書くことによって自分のことを変えることもできるかもしれないし。

日曜日の稽古には、
舞台美術の西宮さんから紹介していただいたAさんに来てもらった。
Aさんは目が見えない。
僕がAさんにお会いするのは2度目で、
前回は、池袋の東京芸術劇場の中にある喫茶店で4時間ぐらいお茶をした。

今回は稽古場で、だから、人がたくさんいる。
僕は、僕以外の人が、目が見えない人とどう出会うのか?
を目撃することができた。
それはとても興味深かった。
ある役者は、「自分の声はどういう風に聞こえる?」としきりに質問していた。
ある役者は、「(寝て見る)夢はどんな風に見えるのか?」と聞いていた。
「将来の夢は何か?」と聞いている人もいた。
なぜその人がその質問を聞きたいと思ったのか、それを考えることは、
Aさんの答え以上に、本質を掴むヒントになる気がする。

僕は、
「もし目が見えるなら何を見たいですか?」
という質問をぶつけてみた。
彼女の答えは、僕にとっては全く予想外のもので、
とてもびっくりしてしまった。
お芝居に使うかもしれないのでここでは書けないが、
機会があれば紹介したい。

2010年03月13日
 ■  稽古場での世間話 in English

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

ソヌは、だいぶ日本語を話せるようになってきてるし、
聞き取れるようにもなってきている。
とはいえ、まだまだ。
稽古場で世間話したら、高田さんが「英語で話します?」
気がつけば、ソヌがちょっとつまらなさそうにしている。
意図せずに、内緒話をしているみたいになっていたわけだ。

それからなんとなく世間話でもみんなが英語を使うようになった。
それぞれのブロークン・イングリッシュでだけど。

俺も韓国語よりも、圧倒的に英語で話しちゃう。
そのほうが早いからね。
韓国が、漢字を捨てないでくれていれば、
漢字での筆談が一番早かったかもしれないけど。

2010年03月11日
 ■  マックの無料コーヒー

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

我が父からもらったマックのコーヒー無料チケットの期限が、
今日までだったので、ソヌを連れて、自転車でマックに行く。
正直、俺は脚本を書くのに集中したかったので、
マックなんぞには行きたくなかった。

というのは、ソヌは自転車に乗るのが超下手で、
お前歩いたほうが早いんじゃない?って時が多々ある。
急げば5分で行けるのに、10分かかる。
俺は、なんとかマックに連れていかないように仕向けたかった。
だが、、、

ソヌ「アツトサン、マック、タダダヨ。行カナキャ」
俺「・・・」
ソヌ「今日マデ。私イッパイ持ッテル」
俺「・・・(知ってるよ。俺があげたんだから)」
ソヌ「イッパイ持ッテル。コーヒータクサン飲メル」
俺「・・・(別に一枚でもおかわりは無料だから関係ないんだ)」

とにかく、マックに行った。
アイスクリーム買わされた。
でも、わりと美味しかった。
稽古でもソヌは機嫌が良かったから、まあいいか。

2010年03月08日
 ■  自己認識ができるのがプロ

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

ソヌがひらがなを読めるようになったことに安心して、
書き直した台本を日本語版しか用意しなかったら、
稽古が止まってしまった。

ソヌは、読める(音読できる)けど、
意味はわかるようになったわけではないのだ。
意味がわからなければ、どう表現していいかわからない。
だから、ソヌは演じられなくなってしまった。
慌てて休憩を入れ、簡単な翻訳版を作る。これには時間がかかった。
今回のプロジェクトでは、
ソヌが使える台本を用意するまでが、台本の準備なのだと改めて認識する。

そして、日本語のイントネーションや発音にてこずるソヌを見ながら、
日本語の構造や音声体系を知る。
というのも、ソヌは、言葉を極めて学術的に理解しようとする。
この言葉の時に、舌はどう動いているのか、声帯はどうなっているのか、
イントネーションが変わると意味がどう変わるのか、
そういうことを一つずつ詰めていく。
世一さんが言っていた、自己認識ができるのがプロという言葉が、
頭によみがえってきた。

2010年03月06日
 ■  韓国人が一番嫌いな国

Follow me on twitter! http://twitter.com/@Atsuto_Suzuki

今年が韓国併合100年だったことに、知人からのメールで気づいた。
そんな年に、初めて日韓国際交流公演やるなんて狙いすぎだね。
よし。狙いすぎよう。

何かの話で聞いたが、
韓国人が一番嫌いな国は日本なのだが、
一番好きな国も日本らしい。
ちなみに、二番目に嫌いな国は中国なんだけど、
二番目に好きな国には中国は入ってないんだって。
この複雑な感じ。どう思います?

さて先日、ソヌに納豆を食べさせてみた。
最初、ちょっと嫌そうな顔をしたが、
キムチと一緒に食べてみなと言ったら、
意外といけたらしく、パクパク食ってた。
納豆は、日本人のSoul Food!
キムチは、韓国人のSeoul Food!

2010年03月05日
 ■  日本人は心の動きがムピョジョン?

韓国人の感情表現と、日本人の感情表現の違いが問題になった。
俺が、それは韓国人的な演技じゃないか?
日本人はそういう風に感情を見せないんじゃないか?
もっと感情を表さないでほしい、と言ったら、
ちょっとしたディスコミュニケーションが起こった。

ソヌ「ムピョジョン(無表情)ってこと?」
俺「思いがないわけではない。日本人は思ってもあまり表さない」
ソヌ「韓国ドラマは日本人も見ている。見て笑って涙する。
 感情表現は世界共通なのではないか?」
俺「韓国のドラマとして見てる」
ソヌ「ではなぜ感動するのか?」
俺「そういう感情表現に憧れているのかもしれない。
 したいと思ってもできないから」
龍田「そういう文化の差という風に決めてしまうんじゃなくて、
 単におもしろい/funnyな、シーンにしてほしいってことなんでしょ?」
俺「そうかもしれない。Anyway let's try!」

というようなやりとりを、
英語、日本語、韓国語、チャンポンしながらやっている。
一番伝えたいことを、細かく伝えたい時は、エキサイトの翻訳サイトを使って、
直訳でもいいから長文で伝えている。
次、何するか?とか瞬発的な指示や演出は英語か韓国語で伝えている。

2010年03月04日
 ■  言葉は道具

ソヌの勉強スピードはかなり速い。
いつから日本語を学び始めたかはわからないが、
(昨年の年末にソウルで会った時は、日本語は全く喋れなかった)
日本に来てからも猛勉強していて、ひらがなが読めるようになった。
まだ3日目だぞ?すごい!

ただ、台詞の暗記は難しいらしく、8時間かけたが、
2ページ分(およそ2分ぐらい)しか覚えられなかったらしい。
なんだか、赤ん坊の成長を見守る父親のようだ。

俺はというと、昨年末のワークショップ参加で、
ハングル文字を一週間で読めるようになった。
基本的には、ローマ字と同じ構成(子音と母音の組み合わせ)なので、
慣れれば簡単。
会話は、韓国語の名詞は覚えられるが、動詞と形容詞を覚えるのが難しい。
なんとか、漢字語を中心に覚えていくしかない。
(漢字語は例えば練習するとか、漢字をベースにした単語。
読み方が決まっているので、音読みが一種類増えたと思えばいい)

ただし、言葉は道具でしかない。
言葉によって何を伝えたいのか?伝えるべきものを持っているのか?
それが問題だ。

2010年03月03日
 ■  異国の冷蔵庫

西宮さん(美術)と世一さんから、もっとブログを書け、
とくに世一さんから、今後、韓国との国際交流公演する人のために、
記録を残せというお達しを受けた。
というわけでこのブログも頻繁に更新しよう。

今日が3/1(月)で、ソヌさんの滞在2日目。
これから、4/25(日)の本番終了まで、約2ヶ月日本で過ごすわけだ。
といっても残念ながら毎日朝から晩まで稽古ができるわけではない。
俺達は生活費を稼がなければならないから、仕事に行く。
そこで、ソヌさん(面倒くさいので以下ソヌ)には、
稽古がない時間は必死で日本語を勉強してもらう。
俺が言わなくても、ソヌは勝手に日本語を勉強している。
つーか、まじめだね。まじめなんだけども、、、食う。
すごい食いっぷりだ。食う!ソヌ、食う!

まあ、遠慮して、食わないよりはいいよね。
冷蔵庫もすぐ勝手に開けた。いいよねそのフレンドリーな感じ。
でも一日ぐらいちょっと遠慮しようよ。
慎み深さを演じようよ。一日だけでいいんだ。
なんかこう初めて異国の冷蔵庫を開けちゃう瞬間!
みたいな感動はないかい?
そうここは異国だよ。異国なんだよ!

「アツトサンモ、ヨーグルトタベナヨ」

うん、そうだね。ヨーグルト美味しいよね。
でも、そのヨーグルト俺のだから。
君が先に食べてるそのヨーグルト俺のだから!
ああ、なんて心の狭い男なんだ。俺は。

2010年03月01日
 ■  ベク・ソヌがやってきたヤァ!ヤァ!ヤァ!

日韓国際交流公演やります!

日韓国際交流公演
劇団印象-indian elephant- 第13回公演
◇「匂衣(におい) ~The blind and the dog~」◇
http://www.inzou.com/nioi/

というわけで、昨日、ベク・ソヌさんがやってきました。
羽田に14時着。17時から、1回目の稽古。
そして、英語と韓国語で演出した最初の稽古。

日本語でのベシャリがうまくない俺にとっては、
シンプルな言い回ししかできない外国語のほうが、
意外とストレートに伝わった。
というか、
なぜ日本語だといろいろ言い過ぎて相手をわかんなくしてしまうんだろう?

まず、信頼関係を築かなければ。
しかし、どうすればそれは築けるのだろう?
人が人を信頼するという時は、心に何が起こるのだろう?
そういうことに全く関心を払ってこなかたのが、今の俺の弱点になっている。