2009年08月26日
 ■  ザ・ダイバーのゲネプロ

8/19(水)

堀尾さんが、「ザ・ダイバー」のゲネプロに招待してくださった。
初演はロンドンで英国人俳優が演じ、
それをそのまま日本に持ってきて、トラムで再演。
で、今回は日本語の台本と日本人俳優による芸劇での再々演。
出演は、大竹しのぶ、渡辺いっけい、北村有起哉、野田秀樹。

源氏物語や能を題材にしてるからと言って、
日本人俳優がやればよりおもしろくなる、よりわかりやすくなる、
というものではないんだな、というのが感想。
文化というものはなんて複雑なのだ。

イギリス越しに見る源氏物語・能、
さらに透けて見える現代日本。
僕らは何を選び、また選ばないのか?

2009年08月19日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 7日目

8/16(日)

本番当日。
照明を仕込んで、照明が入った通しをやったら、もう本番。
最終日はあっという間に終わってしまった。

tram090814-2.jpg

7日間のWSを終えての感想。
舞台美術はコンセプチュアルアートじゃない。建築でもない。
あくまで、役者が入って輝くものでなくちゃいけない。
美術セットだけで完成しているもの、成立しているものは、つまらない。
役者が入るまでは不完全でも、
役者が入ることによって完成する、
それが舞台美術のデザインなのではないか?

僕らの大きな布の美術はきれいだったけど、。
役者が入った時に何か別のものになる、
別の美しさが加わるということがなかった。
もう一方の班が作ったもののほうが、
それ自体では不完全でも、役者を輝かせていた。そう感じた。

講評、打ち上げ、その他でいろいろ意見をもらう。
二日目に渡した「青鬼」のDVDを堀尾さんは見てくれていた。
「イルカが出てきたね」
「舞台美術はどうでした?」
「格子があったね」
「・・・(それだけ?)」
まあ、やっぱり、堀尾さんを驚かすまでには至らなかったか。

打ち上げでは、市来さんから、
「鈴木の班のあのおしっこの演出はない!」
とか怒られるし。
みんなの前で言わなくてもいいのに。
桐山さんや、瑞木さんから、春琴やサイモンの話も聞けた。

2009年08月17日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 6日目

8/15(土)

この日から、役者さんが劇場入り。
出演してくださるのは、
春琴にも出ていた瑞木健太郎さんと、元ピーターパンの中村美貴さん。
役者が入っての、場当たりがこの日のメインになる。

今から考えると、
この日、場当たり前までに、
詰められていなかったことが多かった気がする。
たとえば、この日の音響の打ち合わせで使う曲が、
最終的に使う曲になったのだが、
ただ、なかなかいい音だね、で終わるのではなく、
なぜこの曲を使うのか?その結果見る人にどういう印象を与えるのか?
をしっかりと考えなかった。
僕らが使った音の一つに、コーランの朗誦ぽい曲があったのだが、
戯曲の雰囲気に合わせて選曲するのではなく、
選曲によって雰囲気を自らが作る、その意識が足りない。

照明にも同じことが言える。
美術セットに美しく光を当てるのは当然として、
そこに役者が入ったらどうなるのか?
役者には光がどう当たり、
その結果全体としてどういう印象を与えられるのか?
そこへの意識が全然不十分。

自分が書いた戯曲なら、どこが見せ場か、
無意識ながらはっきりしてる。
しかし、他人の戯曲の場合は、
どこが見せ場か、より意識しないとぼんやりする。
シーンの優先順位という考え方が欠落していた。

2009年08月15日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 5日目

8/14(金)

僕たちの美術プランは、一枚の巨大な布で、
課題戯曲の、砂漠、池、岩山という場面の変化を表現するというものになった。

tram090814.jpg

朝10時から、音響、照明、衣装と同時並行でやりつつ、
いろいろ試し、方向性がやっと決まったのが、17時のこの写真。
オープニングの砂漠を表現している。
一枚の布から、二枚の布へ、プラン変更。
色は塗らず、二種の布の組み合わせから生まれる質感で勝負。

しかし、この後も、砂漠から池へのメタモルフォーゼで、
うまくいかず、時間が滝のように流れ落ちていく。

時間の迫りに負けて、引き出しが少ない人から、あきらめていく。
しかし、時間は迫ってくるが、まだ無くなったわけではない。
粘ってみると、新しい展開が見えてきたりする。
この後、池へのメタモルフォーゼの別のアイディアが出てくる。

素晴らしい舞台とは、いかにしつこくするか。
しつこすぎる人が、優れた舞台を作っていく。
今日はそのことを体で学んだ気がする。

2009年08月14日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 4日目

8/13(木)

一日休みが入って、4日目。
今日から小屋入り?
作業場が、地下の稽古場からシアタートラムへ移動。
つまり、トラムが使い放題だ。
ずっといると、そんなに広くないと思えてくるから不思議だ。

tram090813.jpg

一昨日、個人の二次プレゼンが合って、
それを見て講師が受講生を2チームに分ける。
そして、チーム分け後の協同プランのプレゼンが今日の最後だった。
この日のプレゼンでは、絵だけでなく、模型を作るという条件も加わった。

一日目に、舞台美術家は口で画を描くと言ったけど、

1、口で画を描く(口で説明する)
2、イメージ図を描く
3、図面(設計図)を書く
4、模型を作って、説明する

口以外にも3つの方法を駆使して、
自分のおもしろい!他人に伝える。
そして、この模型という方法は、一番他人に伝わるのだ。
(写真だと白が飛んじゃってイマイチわかりにくいけどね)

2009年08月13日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 3日目

8/11(火)

追記もできぬまま日が過ぎていく。
とりあえず、明日もデザインプランを出さねば。
照明の講師もすごい人。
服部さんはずっと三谷さんの照明家。
「You are the Top」とか、DVDを何度見て、照明を研究したか。

服部さんの説明はとてもわかりやすく、また、
どんな初歩的な質問をしても丁寧に答えてくれた。
だから、恥を捨てていろいろ聞けた。
恥ずかしながらN/Cがなんのことかわからなかったけど、
No Color(つまりカラーフィルターを入れないということ)
だって、わかったし、(なんて単純なんだ!)
用語を勘違いして覚えてたのを、優しく訂正してくれた。

これまでぼんやりしていた様々な照明の疑問の、
いくつかが解消した。

2009年08月11日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 2日目

8/10(月)

13時から16時半までは講義。
劇場史、椅子を使ったワークショップ、照明レクチャー。

「ダイバー」の現場に行ってる堀尾氏を待って、
休憩はさんで17時半から第1次プレゼン。21時半まで。
え?4時間もやったの?どうりで疲れたはずだ。

プレゼンの様子はあとで追記。
なぜなら次の課題があるから。

2009.08.22追記
僕の一次プレゼンは、
堀尾さんから、「全く意味がわからん」と言われてしまった。
どうやら、あっと驚かせたいと思いすぎて、
独創的すぎた、
自分以外は、理解できないプランになってしまっていたようだ。
それに僕は絵が下手だ。
複雑なものを、下手な絵と、下手な説明で伝える。
伝わるわけがない!

自分のおもしろい!を他人に伝える。
そんな戦いがここから始まった。

2009年08月10日
 ■  舞台美術家は口で画を描く 1日目

8/9(日)

舞台美術家の堀尾幸男さんが講師をする、
デザインのワークショップなるものを受講中です。なんと今日から!
堀尾幸男さんと聞いても、
ピンとくる人はほとんどいないと思うんだけど、
ご存知ない方は、
ほぼ日刊イトイ新聞の「堀尾幸男さんの舞台美術という仕事」
horio.jpg
(ほぼ日刊イトイ新聞より転載)
を是非読んでください。

堀尾さんは、失礼を承知で、簡単に言えば、
野田さん、三谷さんの舞台美術スタッフです。
つまり、僕の主観だと、日本一の舞台美術家です。
あくまで仕事ではなくワークショップですが、
自分のイメージ力が、日本一の実力者にどれだけ通用するか、
戦ってこようと思っています。

WSでは早速、刺激的な言葉をもらいました。
「おしゃべりじゃない舞台美術家はいない。
 舞台美術家は口で画を描く。
 つまり、言葉でも自分のイメージを演出家にぶつけるんだ」

と言いながら、今日出された課題は、画の課題でした。
まあ、プレゼンがあるので口も使います。
脚本を与えられて、そこから美術プランをいきなり画にします。
今必死で画を描いて、色を塗っています!

2009年08月09日
 ■  父産(再演)WS8月 その2

8/8(土)

新作と再演は自ずと違う作り方になる。
新作は作家脳をフル稼動させて、無から生み出すという感じだが、
再演では演出脳を使う。

初演の台本の足りない部分や、
持っていたが表に出ることのなかった潜在的な可能性、
そういったものをまず探る。
自分が書いたものに対して、批評的になる。

そういう観点から見た「父産」は、なによりもト書きが杜撰だ。
他者が演出をするなんて、これぽっちも考えて書いてないし。
まあ、基本的に俺の台本はト書きが杜撰。
戯曲ではなく上演台本=上演のための叩き台のテキストだ。
にしても、父産のト書きは、さらに杜撰。
それで役者に動きのある演技を求めるわけだから、
自分で動きをイメージする力がない役者には、厳しい稽古場になる。

特に重要なのはポジショニングだ。
どこでどの台詞を受け取るか、その時の相手との距離は?
その時の自分の状態(=立ってる?座ってる?歩いてる?走ってる?)は?
演劇は、サッカーにも似ているのだ。

2009年08月06日
 ■  父産(再演)WS8月 その1

8/5(水)

オープニングの、アンサンブルのシーンのイメージが広がらない。
なんか根本的なアイディアが足りないのか?
もしくは照明か?音響か?
オープニングだからこそ、スタートダッシュをしたい。
イメージよ、降ってこい!

今井さんから、
コンプリシテのワークショップに参加した時に、
ステイタスをやったという話を聞いて、
久し振りに印象でステイタスをやってみたら、
結構おもしろいものが出てきた。

会議という設定がよかったか?
トヨタの新車開発会議。
ロッテの新製品お菓子の宣伝会議。
テレビ局の新番組会議。
餃子の王将の店長会議。
の四つをやった。
見たことない一面を出す役者もいて、見応えがあった。

2009年08月02日
 ■  父産(再演)WS7月 その3

7/31(金)

音を変えたい。
聞こえてくる音を変えたい。
いや、聞こえてくる音を増やしたい。
音に注目し、音について考えれば、
今日、オープニングのシーンで、みんなから出てきたアイディアが、
もっと活かせるのではないか?

自己紹介で、「好きな戯曲は?」と聞いて、
多くの若い役者が答えられなかった。
好きな戯曲は?というのは、どういう演劇観を持っているか?
という質問にかぶさると思うのだが、
その意味で、自分の演劇観を答えられなかったということに等しい。

ただ、答えられないからといって持っていないということではない。
というのが、日本人気質の難しいところ。
持っているものをどうしたら発信できるのか、
答えられないのは持っていないのと同じことと、
コミュニケーションしてくる人達とコミュニケートするために、
発信する力を鍛えてほしい。

自分へのダメダシ。
ダメダシが長い。もっと短く!
一回のダメダシで何個も言わない。
できるだけ一番言わなきゃいけないこと一つに絞れ!

2009年08月01日
 ■  ロンドン劇場事情

7/30(木)

先日のプロペラの公演で、
ロンドンから帰国された今井克佳さんと客席で偶然再会。
その縁で、あうるすぽっとの会議室でやる帰国報告会に、
混ぜてもらってきた。

まず、向こうの劇場は、
WestEnd、OffWestEnd、Fringeの三つの区分けがあること。
ロンドンの俳優の質や色。
ロンドンの芝居の質や色。
劇場と隣接している飲食店について。
芸術監督制について。
劇場を支えるコミュニティーについて。
国からの支援について。
注目の劇場について。
コンプリシテのワークショップ体験記。
子供向けのワークショップについて。
などなどの話を伺った。

備忘録として。