5月24日。午前。と、夜。
声のワークショップだけに、目隠しして、自己紹介をする。
声だけで、その人がどんな人なのか想像するというのも楽しい。
これは今度印象でもやってもいいかもしれない。
2時間があっという間に終わる。
その日の夜は、ともさとさんのリーディング公演があるらしく、
世田パブの方が招待してくださった。
安倍公房の「棒になった男」。
多分、「幸服」の頃だと思うが、
安倍公房に作風が似ていると言われたことがあって、
「棒になった男」は以前読んだことがある。
昔は気づかなかったが、
これはもっと笑わせてもいい戯曲なのではないか?
5月21日。夕方。
岩松了の戯曲を使った稽古、1日目。
役者のみなさん、戸惑う。戸惑う。
皆さん、全然、読み込めてないですね。
つーか、じゃあ、俺が読み込めてるのか?
というのが疑問なんだが。
ともかく、何回か読んで、
「隠されてる」ことを説明して、この日は終わり。
まあ、1日目ですから。
5月19日。夜。
僕が見た3ステージの中では、この日が一番よかった。
慎吾の芝居も、この日が一番よかった。
最終日前日だから、よくないと困るんだけどね。
ブラジルの公演は、
印象で一番うまい役者が、
まだぺーぺーであることを痛感した公演であった。
まあ、いろいろと盗んできたことはあるだろうから、
慎吾がどれくらい成長したのか、早く見たい。
稽古が楽しみだ。
5月10日。午後。
世田パブから西新宿の芸能花伝舎に移動。
三条会の関さんの話を聞きに行く。
武田泰淳(たいじゅんって読むんだってこの日知った)の、
「ひかりごけ」の演出で名を馳せた、関さん。
「ひかりごけ」は人肉食の話なのだが、
そういうタブーについてというよりも、
「平等」に対する考え方を武田泰淳は書こうとしたんじゃないか、
と言っていたのが、印象に残った。
ちなみに、昨年、僕が書いた「青鬼」は、
野田秀樹の「赤鬼」へのオマージュだが、
もちろん、「ひかりごけ」にも影響を受けている。
その「ひかりごけ」を、学校という設定、しかも、
授業で取り上げるという設定で、
普通の授業だと「ひかりごけ」を教えられない、から、
机の上に立って授業する、そういうユニークな視点。
ある戯曲の中で普通とは何か?
ある戯曲の中で普通じゃないとは何か?
演出に対する思考と試行の深さ。
自分の「青鬼」のイマイチさは、
思考と試行の甘さから生まれたのだ。
「青鬼」はもっとできたと思う。
ただし、それは今言っても始まらない。
5月14日。夕方。
5月のワークショップ(5/21から)は、既製の台本を使うので、
その地ならしとしての稽古が、この日だった。
この日使ったのは、松尾スズキのコント台本。
5/21から使うのは、岩松了の戯曲。
どちらも印象とトーンが違うものだと思う。
だからこそ、役者には刺激になるのではないか?
5月は、「下半身からの役作り」というのを、目標にやる。
久し振りに、緊脱、平衡、テンポーズをやった。
これは、3年前からやっていない稽古なのだ。
これができるからっていい役者になれるのか?
と疑問に思ってやめてしまったから。
要するに、ただやるだけでは、どんな稽古も意味がないってこと。
そこに、アイディアがないと。
今回は、役者に、腰を意識してもらうためにやった。
腰、つまり重心である。
重心って大事だなって思ったのは、
役者を見ていて気づいたんじゃなくて、
小道具・大道具の吊りを勉強しててだから、
アイディアって、どこに転がってるか、本当にわからない。
腰をどう決めるかによって、
演技のスタイルってのは、ある程度決まってくると思う。
新劇の腰、アングラの腰、80年代の腰、現代口語演劇の腰、
まあ、そういう演劇史的なことは役者はわかんなくていいんだ。
とにかく、腰に目を向けてほしいってこと。
もう大昔だが、映画「HERO」の撮影があった。
書類選考を経て撮影に参加したことなんて、全然覚えてない。
やっと見ましたよ。うん、ウォーリーを探せだな。
ともこは、映ってた。オープニングだからわかりやすい。
慎吾とがっちゃんは、映ってたと言えば、映ってたんだろう。
映画の内容は・・・、
あれは、素晴らしい予告編、CMスポットを作るための映画なんじゃないか、
そう思えば、ものすごく、よくできている。
DVDを借りると、何十という予告編、CMスポットが見れる。
これを作るための映画だったというのは、
あながち嘘じゃないと思う。
5月10日。午前。
前回の壁につづき、今回は風船。
風船のほうがレベルが高く、難しかったが、
壁よりも面白かった。
同化という技法を、より学べたからである。
同化つーのは、
身体の一部、もしくは身体全体を、マイムする対象と同じようにする、
ってことなんだけど、要は、風船をマイムする時は、身体も風船になるんだ。
で、この考え方は、演出としてすごく応用できるわけ。
マイムだけじゃなくて、普通の芝居にもね。
どう応用できるかは、うちの稽古場に来ればわかるさ。
5月13日。夜。
飛び込みでいったので、席がなく、
アゴラ2階の調光ブースから観劇。
目の前に灯体があったこともあって、
今回は照明に気を配って見ることができた。
リアルな芝居だけれども、
照明がリアリズムかというと全くそうではない。
細かな光の演出がほどこされてる。
さりげなく点いたり消えたり。
最終幕の照明プランはとくに見事だった。
4月26日。午前。
この日も、世田パブ。
略して文字にすると、どんなパブだ?という感じだ。
ともさと衣さんは、僕より三つ年上の女優。
ほぼ同年代。顔が笑顔でクシャクシャになる。
実は、声のWSを受けたかったというよりも、
この女優さんに会ってみたかったというのが、
本当の受講理由。
プロの女優さんってどんなか、
悪い言い方で言えば、サンプルを増やしたいのだ。
もちろん、唇、巻き舌、のどうがい、
こういう簡単な声のアップ方法を知れたのも、
とてもよかった。
5月9日。夜。
幕が開きました。ブラジル「さよなら また逢う日まで」。
役者では、MCRの櫻井さんが抜群によかったです。
アン山田さんによると、櫻井さんの真の実力は、
まだまだこんなもんじゃないそうですが。
ネタバレになるので詳しく書けませんが、
ラストはもっと、よくしていけるのではないかと思いました。
それと、慎吾も。
20日(火)まで。
今年の「身毒丸・復活」の公演を観て、興味を持ち、
映像で残されている「身毒丸」の過去の公演を全部チェックしてみた。
1978年 天井桟敷版「身毒丸」 若松武、新高恵子主演
1995年 蜷川幸雄版「身毒丸」 武田真治、白石加代子主演
2002年 蜷川幸雄版「身毒丸・ファイナル」 藤原竜也、白石加代子主演
映像化されていない、
1997年 蜷川幸雄版「身毒丸」 藤原竜也、白石加代子主演
2008年 蜷川幸雄版「身毒丸・復活」 藤原竜也、白石加代子主演
を合わせると、「身毒丸」の歴史が見えてくる。
細かいところはともかく、
蜷川の演出は、ほとんど変わっていない。
天井桟敷版と蜷川版は、脚本も演出も大分違うが、
音楽劇として作られている点は共通である。
(天井桟敷版は生演奏だった。)
渋谷のTSUTAYAで借りれるので、
役者の人は、藤原竜也主演のものだけでも借りて見てほしい。

5月2日。午前。
私用で金沢を訪ねたついでに、21世紀美術館に行ってきた。
なかでも、おすすめは「ロン・ミュエック」展である。
ロン・ミュエックは、オーストラリア人で、
人間の精緻な模型?人形?を作る芸術家なんだけど、
何がすごいって、あんた、でかいんだよ。作品が。
俺が一番好きだった作品が、「In Bed」っていうやつだったんだけど、
シーツにくるまってベッドに座ってる女が、座ってるだけで2mぐらいある。
全長だと5,6mか?実際に自分の目で見ると、でっかいぞー。
5,6mある女の肌が、透けて見える青い血管まで細かく再現されてる。
髪の毛や体毛も、馬の毛を一本一本植えていったそうで、
ハイパーリアルなんだ。
リアルで、でかいってだけで、
グロテスクに見える。グロテスクに感じてしまう。
でも、見てしまう。見入ってしまう。
人間が心底見たいのは、人間自身なんだって思い知らされるね。
4月28日。夜。
知人に誘われて、東京ヴォードヴィルショーの「エキストラ」。
いつになく暗い三谷脚本だったが、いいホンだと思う。
バックステージものの群像劇を書かせたら、
今の日本では並ぶ者がいない。
このホンをミュージカルにして、
「コーラスライン」のような映画にできないかと思う。
監督は、中島哲也。机上の空論だね。
終演後、楽屋に連れてってくれるとのことで、
もし、佐藤B作さんに会えたら、
印象に出てもらえませんか?と勢いで言えないかと思ってたんだけど、
残念ながら会えず。
この日はB作さんは声があまり通ってなくて、
別にそれで会えなかったわけではないのだが、
胃癌なのだそうだ。スポーツ新聞にも出てた。
5/1に手術するとのこと。
初期とはいえ、癌を抱えて、旅公演を続け、
千秋楽の2日後に手術。役者も大変な仕事である。
