2007年02月03日
 ■  それでもボクはやってない -司法のシステムに振り回されるフリーター-

できるだけ混んでる時の、
他のお客さんの反応が見たくて、
公開一週目の1/24(水)に観て来ました。
映画館は水曜日だと1000円で見れる渋谷のアミューズCQN。

「それでもボクはやってない」
監督・脚本:周防正行
出演:加瀬亮
http://www.soreboku.jp/

風刺喜劇で、風刺エンターテイメントで、面白いです。
観客にとって、作品は点ですが、
作り手にとっては、作品は線です。
「それボク」を見るにあたって、
まだ見ていなかった「ファンシイダンス」を見ておいたのですが、
1989年のバブルの絶頂期に、浮かれずに世の中を眺めていた、
その冷静さは尊敬します。
しかも、ヒステリックにバブル全否定ってわけでもないし、
バランス感覚が抜群なんでしょう。

「Shall we ダンス?」では、社会風刺をあまり臭わせなかったから、
気づきにくいですが、チャップリンや伊丹十三のような資質を感じます。

彼が描くのは、いつも、人間ではなくシステムです。
システムに振り回される普通の人、
もしくは、あるシステムに振り回されるそのシステムの外部の人というのが、
一貫したモチーフではないでしょうか?
今回は、裁判・司法というシステムに振り回される普通の人が出てきたし、
その普通の人にフリーターが設定されてるのも今日的です。

「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜(むこ)を罰するなかれ」
という言葉が出てきますが、
裁判官が、推定無罪の原則を破るのは、
監視カメラやテレビの犯罪報道で、
不安を必要以上に体感してしまってる僕らが、
「一人の無辜(むこ)を罰するとも十人の真犯人を逃すなかれ」
もしくは、
「一人のフリーターを罰するとも十人の真犯人を逃すなかれ」
と、心の中で要求しているからかもしれません。

アメリカでは、テロ対策という大義名分の下、
「十人の無辜のイスラム系外国人を罰するとも一人の真犯人を逃すなかれ」
というところまで、いっちゃってます。
そして、それは市民が望んでいるからなのかもしれません。

何がよい社会なのか、選択するのは僕らであり、
そう思うからこそ、周防正行はこの映画を作ったのでしょう。

投稿者 atsuto : 2007年02月03日 13:55

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