2006年12月30日
 ■  フラガール -リトルダンサーと見比べてみよう!-

今更ながら見たのは、「フラガール」。
水曜日だったので、渋谷のアミューズCQNで1000円。

「フラガール」
出演:松雪泰子 蒼井優
監督:李相日
脚本:羽原大介
http://www.hula-girl.jp/

泣きどころと笑いどころをテクニカルに刺激する、
よくできたエンターテインメント。
でもな、、、

同じく炭鉱の町を舞台にし、
同じくダンスを描いた、
イギリス映画「リトルダンサー」を思い出した。
で、TSUTAYAで借りて、見直しちゃったんだけど、
僕にとっては、「フラガール」もよくできてたけど、
「リトルダンサー」のほうが、圧倒的に素晴らしいと思った。

だって、
産業構造の変化という時代の波にさらされる炭鉱の町と人と、
それでも、踊らなくてはならない主人公の衝動の描き方が、
重厚なんだよね。
松雪泰子の、それでも踊らなくちゃならない衝動も、
蒼井優の、それでも炭鉱の町を裏切んなくちゃならない理由も、
ビリーエリオットのそれのほうが上だぜ!
是非、たくさんの人に見比べてもらいたいね。
(12/13に見た映画の感想)

2006年12月28日
 ■  自分を嗤う -明石家さんまの凄み-

先週、「恋のから騒ぎ」を見てたら、さんまさんが、
石原真理子に暴露された自分をネタに、

「過去のある女にだって未来はあるよ、暴露本とか」

って笑いをとっていて、
なんかそこに、明石家さんまという芸人の凄みを見る思いがした。

自分を嗤う。徹底的に。

笑い者にされるって言葉があるように、
大体、自分が笑われる側になるのは、
どんな人だって、いい気はしない。
特に、昔の情事を暴露って、野暮もいいとこ。

でも、さんまさんは、ほんとに楽しそうにやっちゃってるんだよね、
人を笑わすために、自分をネタに、自分を嗤うってことを。

下ネタで申し訳ないんだけど、

先日、
ある劇団の主宰者から電話がかかってきて、
「もしもし、今、何してます?
オナニー以外だったらおしえてください」
と開口一番フラれ、僕は面白い返しができなかった。

そのフリも、どうかと思うけど、

今から考えるに、
「オナニー以外だったらおしえてください」
というのは、逆に、下ネタで返してもいいよ、
というその人なりの優しさであったのかもしれず、
「いや、ちょうどこすり終わったところなんだ」
ぐらいの返しでもよかったのかもしれない。

ちょっとでも、自分を嗤う気概があれば、
つまらない返しはしないですんだ。

僕は芸人ではないけれど、
さんまさんと同じ芸事にたずさわる者として、自分を恥じる。
みんな、次からどんどん、無茶フリしてくれ!

2006年12月25日
 ■  「デナリの地球一周カレンダー2007」がいいぞ!

盟友のイラストレーターのカレンダーが、
今年は、去年以上にいい出来です。
カレンダーをめくるたびに、物語がめぐるんだよ、ほんとに。

リンクと表紙の紹介
hyoushi.jpg

紹介するのは、表紙だけにするんで、
中身は手に取ってご覧あれ。

僕は、3月のインドを舞台にした絵が好きです。
インドの少女が仮面をつけてるんだけど、
表情が見えないからこそ、どんな顔をしてるんだろうと、
想像力をかきたてられる、そこが好きです。

彼女とは、印象の全公演の宣伝美術をやってもらっていて、
付き合いも長いですが、絶えず、新しい画材を研究していて、
アクリルだけじゃなく、和紙に描いたり、墨を使ったり、
そういう技術的な部分に対する、絶え間ない研鑽には頭が下がります。
すごいライバルです。

2006年12月23日
 ■  仙台・演劇紀行のつもりが、突然の中止

「仙台に芝居でも見に来ない?」って誘ってくれたのは、
学生時代に僕の映画のプロデューサーやってくれてた人。

TheatreGroup“OCT/PASS”+きらく企画
提携公演vol.2 PlayKENJI#5 『ザウエル』

つー、長い冠名の芝居を、急遽、仙台に日帰りで見に行くことになったんだけど、
かの地の土地勘がないもんで、劇場の場所をちゃんと調べて行こうと思ってサイト見たら、
出演者が流行りの感染症にかかって、突然の中止。
「流行りの感染症」ってノロウィルスかね?

下記参照
http://www.oct-pass.com/
http://www.project-kiraku.com/

こういう機会を逃したら、
仙台の演劇事情を自分の目で確かめることもないから、
芝居見て、できるだけたくさんの人と会って、話して、
何か、面白いものを掴めてきたらなあと思ってだけに、残念。

それにしても、
出演者が流行りの感染症にかかった時の、公演中止の判断って難しいよね。
商業演劇とかだと、どうしてるんだろう?

2006年12月18日
 ■  ロデオタイムから学べること

rodeo.jpg

役者の何人かを誘って、ZESTで飲み!
日曜夜は、ロデオタイムがあるので、ZESTは大盛り上がり。
写真は、ロデオマシーンに挑戦中の慎吾であります。

このロデオタイムというのを、役者に見せたかった。
一週間の内、日曜夜の30分しかやらないイベントで、
一般のお客さんの中から十人ぐらい、ロデオマシーンに挑戦するんだけど、
その盛り上がりは、芝居に通じるものがある。

というのは、お客さんのノリが、
いろんなシチュエーションで左右されるから。
ギャラリーに外国人が多いとよかったり、
ミニスカートの女の子が挑戦すると異常に盛り上がったり、

日によって、全然熱気が違って、
ライブの空気の勉強に、すっごくなるんだよね。

2006年12月17日
 ■  <続報>オーディションと選ばれ慣れ

ちょっと前にエントリーで書いたオーディションですが、
ずいぶん前に結果が来ていました。実は、

一人も選ばれませんでした。残念。
しょうがないけど、悔しいな。
結構、たくさん出演者が必要なCMだったので、
一人くらいはいけるかな?という甘い期待もあったのですが、
やっぱり、ダメでしたね。

一回のオーディションが事件になるくらい、
印象には、まだまだ仕事が来ない状況ですが、
待ってるのがよくないですね。
仕事はやって来るもんじゃなくて、もらいに行くもんでしょうから。
頑張ります。

2006年12月13日
 ■  役者は全員55歳以上の、さいたまゴールド・シアター

蜷川幸雄が、さいたまゴールド・シアターと称して、
http://saf.or.jp/gold_theater/
経験・未経験を問わず、55歳以上の人間を集めて、
劇団を立ち上げたことは知っていたけど、

その劇団の様子を、NHKが月曜日(12/11)に、
18時頃のニュースで特集していた。
これが、なかなかよかった。
なにがよかったって、劇団員の顔がよかった。

ニュースでやっていたのは、
老いた群集が裁判所を占拠するシーンの稽古だったんだけど、
まず、演者の真剣な表情がよかった。
誰一人として、そこ(稽古場)にいることに甘えてない感じがした。
蜷川幸雄のダメ出しの様子が、またよかった。

55歳以上のことを敢えて言えば、ジジイとババアだ。
そのジジイとババアが、当たり前なんだけど、甘えていない。
ジジイババアだと蔑むんじゃねえ!という迫力が出てる。
それは積み上げられた時間の迫力である。
人生の酸いも甘いも皺に刻み込んできた人間の迫力である。

経験・未経験を問わず、という役者未満を集めた劇団ということで、
生意気にも、大丈夫か蜷川?と思っていたけれど、
本当に余計なお世話だった。
むしろ、55歳以上ということや、経験・未経験を問わないということだけで、
僕がこの企画をなめてた。
だって、蜷川幸雄がやる以上、どんな人とやるにしろ、
作品の質が求められるわけでしょ?

全く知らない人間達と組んで仕事をすることの豊かさと怖さ、
演劇のアグレッシブな魅力に、
71歳の演出家が挑戦しているのだ。

僕ら若い演出家は、学ぶべきところがたくさんあるように思う。

2006年12月12日
 ■  麦の穂をゆらす風 -自由は銃へとすり替わる-

先週の水曜日、弁護士会館での打ち合わせの後、
役者とシネカノン有楽町で「麦の穂をゆらす風」を見た。
水曜日だったので、1000円で見れた。

「麦の穂をゆらす風」
監督:ケン・ローチ
http://www.muginoho.jp/

日本語って面白いね。
「自由」と「銃」の音が似ている。
イギリスがアイルランドに向けた、不正義の暴力=「銃」から、
正義の暴力=「銃」を撃つことで、勝ち取った「自由」。
でも、勝ち取った「自由」の中から、
「自由」を守る為の新しい暴力=「銃」が生まれ、
その「銃」がいともたやすく、血を流す。

「銃」で手にした「自由」は、
すぐに「銃」へとすり替わっちゃって、
戦争が終わらない。
野田秀樹の「カノン」も同じテーマだった。

どうして、人間は暴力でしか問題を解決できないんだろうね。
まじめでいい映画だったんだけど、
結局、映画という人間の知性なんて、
なんの力もないんじゃないかって、
この映画自体が無力なんじゃないかって、
ナナメに見てしまった。

2006年12月04日
 ■  ゆれる -オダギリジョーと香川照之を見る映画-

新宿武蔵野館にロングラン中の「ゆれる」を見に行く。

「ゆれる」
出演:オダギリジョー 香川照之
脚本・監督:西川美和
http://www.yureru.com

役者の園芸家すみれが、
オダギリジョーのベッドシーンをやたら褒めるし、
うちのおかんは、香川照之がすごくいいの!なんてはしゃいでたし、
たすくから、制作会社はテレビマンユニオンだよ、
(未来創造堂の制作会社もテレビマンユニオンなんですね)
って言われたのもあって、
とにかく、少なくない友人が薦めるので、気になっていたのだ。

ロングランというから、満員の客席を想像してたんだけど、
80席のシートが半分も埋まらないぐらいのお客さん。
でも、7月に封切られた映画が、
12月までずっとやってるんだから、立派なものだ。
映画は、演劇とは違って、客席が空いてても、
クオリティーに響かないし、のんびり見れる分お得かも。

なるほどね。
これは、オダギリジョーと香川照之の芝居を見せる映画だね。
うるさいCGやカメラワークがなく、
仕草、表情、感情、態度の豹変、
役者を信頼し、役者に頼った、役者を見るための映画。

不遜ながら、
物語のモチーフとか、キャラクターの対立の描き方とか、
ちょっとエロい演出とか、
自分が「愛撃」でやっていたことの映像的表現を見た気がした。
もちろん、「愛撃」は兄弟ではないし、裁判もないけどね。

ネタバレになるから、あまり書かないけど、
法廷劇って面白い。
せっかく、弁護士事務所の仕事をやってるんだから、
印象の次回公演は法廷劇かな?

地味ですが、いい映画でした。
まだ渋谷でも新宿でも上映中みたいなので、
興味のある方は、是非!

2006年12月02日
 ■  オーディションと選ばれ慣れ

昨日の金曜日(12/1)、
「愛撃」を見てくださったCMプロダクションの方が、
某企業のテレビCMのオーディションに、お声をかけてくださり、
「愛撃」の出演者ほぼ全員が、オーディションを受けてきました。
結果はまだ出てません。

聞けば、みんな、CMのオーディションは、今回が初めて。
一人当たりにかけられる時間が、3分もないくらいのチャンスに、
何もできずに終わった役者がほとんどだったようです。
でも、何もできずに終わったということを経験していくことが大事、
僕はそう思います。

舞台の役者は、長い時間かけて一つの役を詰めていくわけですが、
映像の現場では、短い時間しか与えられません。
そして、そのことに文句を言ってもしょうがない。

俳優という仕事に限らず、どんな仕事でも、
クライアントが何を求めているのか、
その求めに対して、自分は何ができるのか、
そのことを瞬時に判断して、行動を起こしていく以外に、道はありません。
でも、その瞬時の判断と行動ができるようになるには、
もう現場を何度も、何度も、何度も、経験して、慣れていくしかないんです。

偉そうなことを言える身分じゃ全くないけど、
十年後、昨日のメンバーが一人でも多く、
俳優を仕事にできる人になってくれてたらいいなあ。