2003年04月15日
 ■  野田地図「オイル」

日曜日に野田秀樹の新作「オイル」を見た。

野田秀樹の芝居を生で見たのは初めてだったのだが、
不満がたくさんあり、自分の中に「オイル」をうまーく吸収できなかった。
数日経ってやっとその理由がわかったので、書く。

俺が演劇をやろうと思った理由の一つに「見立て」という技法を、
やってみたかったというのがある。
「見立て」とは、見立てること。例えば、じゃんけんは、
グー、チョキ、パーを、石、ハサミ、紙に、見立てている。
じゃんけんの見立てというのは、もう一般的になりすぎているけれども、
誰も考えたことがなく、誰もが納得できる見立ては、
観客をクラクラさせてしまうすごい力を持っている。
そして、野田はこの見立てが、ずば抜けてすごかったのである。

しかし、オイルは、俺をクラクラさせる見立てがなかった。
過去の作品と比べてしまうのは、本当に失礼だけれども、
例えば、「キル」は最後の台詞がものすごい見立てになっているのである。

「モンゴルの蒼い空を、着せてあげてください」

「キル」は、着るということがテーマなのだけど、
モンゴルの蒼い空を、服に見立てているのである。
人間は、生まれてくる時は裸で、
初めて着る服がモンゴルの蒼い空だというのである。
飛躍がすごい。(ちなみに主人公はジンギスカンです。)
ネタばらしになるので、これ以上書かないけれど、
「キル」の見立てに比べたら、「オイル」のオイルの見立てなど、
霞んでしまうと俺は思うのだ。